キャッシュフロークワドラントとは
キャッシュフロークワドラントとは
キャッシュフロークワドラントとは、『金持ち父さん貧乏父さん』の著者ロバート・キヨサキが提唱した考え方で、「どこからお金を得ているか」という収入の稼ぎ方によって、人々をE(Employee:従業員)、S(Self-employed:自営業)、B(Business owner:ビジネスオーナー)、I(Investor:投資家)の4つに分類したものです。
1998年に発売された著書『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』で詳しく解説され、以降キャッシュフローゲームのベースとなる考え方として世界中で広く知られるようになりました。
4つのクワドラントは、図の左側(E・S)に労働収入、右側(B・I)に不労収入が配置され、それぞれの頭文字を取ってE・S・B・Iと呼ばれます。同じお金を稼ぐという行為でも、どのクワドラントに立っているかによって、働き方・税金の負担・自由な時間の量など、人生そのものが大きく変わってくるというのが、この考え方の核となる主張です。「金持ち父さん貧乏父さん」を読んで「次に何を学べばいいのか」と感じた方にとって、この4分類は行動の指針になる考え方です。

4つのクワドラントの特徴
Eクワドラント(従業員)は、会社や組織に雇われ、自分の時間を提供することで給料を得る働き方です。安定した収入が得やすい一方、自分の時間を切り売りしている以上、働くのをやめれば収入も止まります。日本では人口の大多数がこのEクワドラントに属していると言われています。
Sクワドラント(自営業)は、フリーランスや個人事業主のように、自分自身がビジネスの中心となって収入を得る働き方です。Eよりも裁量は大きくなりますが、自分がいないと回らない状態になりやすく、休むことがそのまま収入減につながる点はEと共通しています。医師や弁護士、店舗経営者などの多くもこのSクワドラントに含まれます。
Bクワドラント(ビジネスオーナー)は、自分ではなく仕組みや人が動いてお金を生み出す状態を作る働き方です。自分が現場に立たなくても収益が発生する仕組み(システム)を持っているのが特徴で、これがいわゆる不労所得の入り口になります。事業を第三者に任せても収益が回り続けるかどうかが、SとBを分ける大きな違いです。
Iクワドラント(投資家)は、株式・不動産・事業などにお金を投じ、そのお金自身に働いてもらうことで収入を得る働き方です。自分の時間ではなくお金を働かせるという点で、Bクワドラントとはまた違ったアプローチで不労所得を得ています。
なぜクワドラントによって人生が変わるのか
E・Sクワドラントは自分の時間を対価にしているため、収入を増やすには働く時間や単価を増やすしかなく、そこには物理的な限界があります。また、収入が増えるほど所得税の負担も重くなりやすい傾向があります。会社員が受け取る給与は、稼いだ後に税金が差し引かれる仕組みになっているためです。
一方、B・Iクワドラントは他人の時間やお金そのものを働かせる仕組みを持っているため、自分の労働時間と収入が比例しません。うまく仕組みが機能すれば、自分が働いていない時間にも収入が発生し続けます。さらに、事業や投資にまつわる支出を経費として扱えるなど、税制上も有利になりやすい面があります。B・I側では、先に事業に必要な支出を行い、残った分に税金がかかるという順序になるためです。
キャッシュフロークワドラントの考え方が伝えているのは、どのクワドラントが偉い・優れているということではなく、経済的自由を目指すのであれば、B・Iクワドラントの割合を増やしていく視点が欠かせないという点です。
多くの人がE・Sクワドラントから抜け出せないのは、学校教育や社会の中で「良い会社に就職する」「手に職をつける」というE・S側の成功法則ばかりを教わり、B・I側で成功するための考え方や技術を学ぶ機会がほとんどないためです。それぞれのクワドラントには、必要とされる能力・マインド・時間の使い方に明確な違いがあり、E・Sで培ったスキルをそのままB・Iに持ち込んでもうまくいかないケースが少なくありません。同じ起業という言葉でも、店舗を持つSクワドラント的な起業と、仕組みを作るBクワドラント的な起業とでは、目指すゴールがまったく異なります。
4つのクワドラントは、どれか1つを選ばなければならないものではありません。実際には、会社員(E)として働きながら、副業で自営業(S)の顔も持ち、並行して不動産投資(I)を行い、将来的には自分のビジネス(B)を育てていく、というように、複数のクワドラントを同時に、あるいは段階的に経験していく人がほとんどです。まずは自分が今どのクワドラントに立っているのかを知り、次にどのクワドラントの比重を増やしていきたいかを考えることが、最初の一歩になります。
